「ねぇ、おっさん」 「ん?何よ、リタっち」 「なんで、私のことリタっちって呼ぶの?」 「んー、話すと長くなるわよ〜」 「いいから、話して!」 「それはリタっちがリタっちでリタっちだからさ!」 「………アンタ、ふざけてんの!?」 「違うわよ!!俺様はいつも本気…………」 「一回、ぶっ飛べ!!」 「どわったあああ!!!!!!!!」 ある日の昼下がりの話。 「リター。そんなに怒ってどうしたんです?」 「なんでもないわ」 「エステル、リタはねレイヴンになんで自分のことを『リタっち』って呼ぶのか理由を聞きに行ったんだよ。それで……」 「ガキんちょ。余計なこと言わなくていいから」 いつも通り、カロルの頭にリタのゲンコツがヒット。 カロルはその場にきゅう、と倒れる。 「リタはその呼び方が嫌いなのかしら?」 会話を黙って聞いていたジュディスが口を開き、いつもの何か図っているような笑顔をリタに向けた。 「嫌い………。そーね。嫌いね。子供っぽいし」 「でも、私は可愛いと思いますよ?『嬢ちゃん』よりも名前を捻ってニックネームというのはすごく可愛いです!」 「そんなのエステルだけで十分よ」 「あら、リタっち。そんなに怒ったら可愛い顔が台無しよ」 「アンタまでその呼び方で呼ぶなっ!!」 本当になんなのよ!!! 三十路半ばのオッサンがいくら年の差が倍以上あるからって『リタっち』なんて呼ぶなんて!! 普通に皆みたいに『リタ』でいいじゃない!! 「およよ〜。リタっちはニックネームには慣れてないのかい?」 「な、ななな、ななななな…………!!!」 「リタっち、さっきから独り言多いわよ〜?そんなに、ニックネームが嫌い?」 「ニックネームが嫌なんじゃなくって、子供っぽいその『リタっち』をやめろって言ってんの!!」 「へー、じゃあ俺様今度からリタっちのこと『リタお姫様』って呼ぶことにするわ」 「ややや、やめてよ!!分かったわよ!!!『リタっち』でいい!!!」 リタは始めは怒ったようにレイブンに食ってかかっていたがどんどん焦りに変わる。 「あのさ、リタっち」 「何よ………」 「リタっちのニックネームの理由はね………」 (嬢ちゃんよりも、ジュディスちゃんよりも何倍も何倍も不器用な君をせめてニックネームだけでも年相応の可愛さにしてやりたかったんだ) 馬鹿みたいな理由 まさに君にとったら有難迷惑かもしれない だけど、ね………… 「う、わ、分かったわよ!!リタっちに負けないくらい………」 素直で可愛くなるから とは、恥ずかしくて言えなかったけど。 小さな小さな可愛い可愛い約束、貴方とね。 End -------------------- おばあちゃん家で書きましたシリーズその2。 レイヴンさんってなんでリタちゃんだけ「リタっち」って呼ぶんだろう? っていう疑問から生まれた作品。 しかし、リタっちは本当に可愛いですよね!! いつか、リタっちの番狂わせ姫とレイヴンさんの憧れの騎士団長首席の称号を使った作品を書きたいです……… 読んで下さり、ありがとうございましたV [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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