たくボーの童話集

◆たくボー
【メニュー3】

そうかぁ〜 昨日、僕が食べた料理はお母さんが作ってくれた物と同じ味がしたんだ  けど みんな同じ大皿から取った料理なのに…
不思議だったけど出て来る料理はお母さんの味と同じでした。
僕たち家族は出て来る料理を次々と平らげました。 
そうです この店は心に一番残っている大切な味が、味わえるレストランだったんです。 出て来た料理はそんなに豪華じゃない いつも食べている物とそんなに
変わりなものでした。
「やっぱり、お母さんの料理が一番美味しいんだよ」僕はそうつぶやいてまた、食べはじめました。

お父さんやおじいちゃん達を見ると、目に涙を浮かべながら料理を味わっていました。メニューに書いてある「あなたの心に…」は 自分の一番心の中にある
思い出の料理 味なんだなぁ〜 と 僕は心に思いながら 食べました。
 そして皆食べ終わるとお金を払って店を出ました。
僕ら家族は幸せな気持ちになりました。
「また行こうね。お父さん」 「ああ、また行こう」
と お父さんも嬉しそうに言いました。

 次の日 塾の帰りに店の前を通りました。 すると そこは空き地になっていました。 「おかしいなぁ〜 確かここにあったはずなんだけど」
僕は夢を見ているようでした。 


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