たくボーの童話集

◆たくボー
【翔太の不思議なマント4】

それから、犬達を集め 太郎は犬達に言いました。
「これから俺の手伝いをした者には、美味しいものを食べさせてやろう」と言いました。
すると犬達は「本当だな、なら手伝ってやるよ」と言ってシッポ振ってこたえました。
そして、太郎は犬達と町に出かけました。
 町に着くと太郎はあちらこちらと、昔いじめられたお侍を探しましたが、なかなか見つかりません。そしてやっと探しだしました。

そこで太郎は犬達に言いました。「あのお侍さんを脅かしてくれ」と頼んだのです。
気持ち良さそうに飲んでいる お侍さんに一斉に吠えながら噛みつきました。
 お侍さんはビックリし「痛い 痛い やめてくれ〜」と 叫びながら店の外へ出ていきました。それを見ていた太郎は、大笑いしながらその様子を見ていました。
「あ〜あおかしい、すっきりした」そう言うと犬達が太郎の元へ返ってきました。
「おい、太郎お前が言うと通り、お侍さんをやっつけてやったぞ、だから美味しい物を食べさせておくれ」と、犬達は言いました。
しかし 美味しい食事のあてのない太郎は困りました。「どうしょうかなぁ〜 困ったぞ」
腕を組み考えていると、良い事を思いつきました。

そして、太郎は犬達を連れて険しい山道へ連れて行きました。するとそこへ大きな荷物を
持ったおじいさんがやって来たのです。太郎は「よし あのおじいさんの荷物を頂こう、沢山食べ物が入っているぞ」そう言うと犬達はおじいさんを襲い、食べ物を奪いました。

それからというもの、太郎はお腹が空いては犬達を使い食べ物を奪ったり、お金を奪ったり
して生活していました。

ところがある日の事、一匹の犬が仲間の犬に言いました。「なぁ〜太郎は最近、えばってばらりだ。それにいつも怒ってるし」それを聞いた他の犬達もうなずきました。

そこへ太郎が現れました。 「お前達、何やってるんだ、早く食べ物をもってこい」と怒りました。 それを聞いた犬達は 大変怒りました。
 そして一匹の犬が言いました。「みんな、太郎をやっつけろ」そう言うと
犬達は一斉に太郎に襲いかかりました。
「や、やめてくれ〜痛い 痛いよ〜」と泣きながら森の奥へ逃げて行きましたが、
犬達も追いかけていきました。


そこへ 大きな荷物を持った翔太が険しい山道を歩いて帰って来ました。そして道には
あのおじいさん倒れていた場所に無くなったあのマントが落ちていたのです。
翔太はビックリしてそのマントを手に取りました。「あった あったぞ 僕のマントだ
、これでまた動物達と話が出来るぞ」 翔太は大変喜びました。

家に帰ると直ぐに荷物を下ろし、又町に戻りました。
もともと翔太は動物達と話が出来なくても動物にやさしく町の人気者でした。
そんな翔太はまた動物たちの話を聞き 町の人達と話をしたり
又 困った人の手伝いをしながら 楽しく幸せに暮らしていたのでした。

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